マイホームの建て時

 「臨界期」というのをご存知でしょうか。
 ある機能を得るために、発達過程で適切な時期があり、その時期を過ぎると成立が難しくなる限界の時期があるということです。
 例えば「絶対音感」は、3〜5歳から9歳前後までが、臨界期だそうです。
 同じように、マイホーム取得にも「臨界期」すなわち「建て時」があります。
 この「建て時」を見極めるポイントは、年間の収支(収入−支出)に余裕があるかどうかです。

 マイホーム取得時には、多くの方が住宅ローンを借ります。
金融機関がいくらの住宅―ンを融資してくれるかは、前年の年収によります。(もちろん、その他の審査基準もあります。)

 退職後、自宅の建替えを検討している場合でみてみましょう。
 退職後、第二の就職や雇用延長で働いていたとしても、現役時代に比べて年収の金額はグッと少なくなっています。年金収入を加えても多くの方が、現役時代の年収よりかなり少ないのが現状です。
加えて、住宅ローンの完済の年齢制限があり(80歳前後が多い)、必然と住宅ローンを借りられる金額は小額になってしまいます。
 また、退職金やそれまでの貯蓄でマイホームを建てると、退職後に備える資金が一度に少なくなります。年金収入はあるにしても、いざという時の蓄えが少なくなるのは心細いです。
 子どもと二世帯住宅を建てて、親子でローンを組む。あるいは子どもが住宅ローンを組むという方法もあります。この場合は、子世帯の同意が必要になってきます。
 ですが、もし現役時代に建替えることができたなら、事情は違ってきます。
 年収は高く、借入額も多くなります。
住宅ローンを支払わなくてはいけないので、先々のことも考えて生活費のやりくりもしていくことでしょう。収入面でも余裕があるので、住宅ローンの一部繰上げ返済のために貯金することも可能です。
また、住宅ローン減税で税金の還付を受けられます。
第二の就職などや年金生活でも住宅ローン減税を受けられますが、年収が少なくなると税金も少なく、その分還付される税金の額も少なくなります。
この住宅ローン減税を目的にローンを組むという方がおられましたが、本末転倒なので止めましょう。住宅ローンの支払い利息の方が、還付される税金より多くなります。

これらのことから考えると、「建て時」は経済力のある退職前といえるでしょう。

これ以外に「建て時」として、子どもの小学校入学前が上げられます。(図1.)
 子どもを転校させることなく、学区なども検討して建てられる。教育費などの負担が多くなる前に建てられるなどのメリットがあります。
 図からも分かるように、子どもが高校以降になると教育費の支出に備えなくてはならないので、この時期は住宅取得には向きません。

 いずれマイホームを建てようと考えている方は、この「建て時」を見逃すことなく、計画的に準備していきましょう。
ライフプランには、お金の「貯め時」というのもあります。この「貯め時」と「建て時」を見極めて、上手く組み合わせることが、成功する資金計画のコツです。
 「貯め時」については、次回以降で触れていきたいと思います。


松田ブログ

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